MoriKen's Journal

MoriKen's Journal

アラサー社会人博士による徒然日記。技術についてつらつら。だけだとコンテンツが貧弱なので、会社公認で大学院博士課程に進学した経緯や、独学でTOEICを475→910にしたノウハウを共有します。

【Ubuntu 18】indicator-multiload を入れるとログインループに陥ったときの対処法

起きたこと

Ubuntu 18.04 でログインループに陥りました。apt で何かやっかいなものを突っ込んでしまったときに起こります。

NVIDIA 関係は再インストールしてみたのですが、それでも駄目でした。

怪しそうなアプリケーションを remove したところ復活したので、その経緯をメモします。

きっかけ

apt で indicator-multiload をインストールしました。

$ sudo apt update
$ sudo apt install indicator-multiload

確かに、インストールした直後も、ちゃんと表示されていなくて不安定だったことを覚えています。。。そのまま油断してOSをシャットダウンしてしまいました。

Ubuntu 16.04 では下記のように使えたのですが。。。

f:id:MoriKen254:20200507153021j:plain


対処手順

1. 仮想コンソールを立ち上げる

GUIログイン画面上で、Ctrl + Alt + F1を押します。

もしF1で開かないなら、F2以降のいずれかのボタンでも試行してみてください。

2. apt の履歴を確認する

下記コマンドで過去の apt 履歴を確認します。

$ vim /var/log/apt/history.log

もっと遡りたいときはアーカイブを確認します。

$ vim /var/log/apt/history.log.1.gz

インストール後にすると怪しげな挙動をしたアプリケーションの名前を発見。。。

Start-Date: 2020-xx-xx  xx:xx:xx
Commandline: apt install indicator-multiload
Requested-By: username (1000)
Install: indicator-multiload:amd64 (0.4-0ubuntu5)
End-Date: 2020-xx-xx  xx:xx:xx

3. 怪しいアプリケーションを remove → reboot

$ sudo apt remove indicator-multiload
$ sudo reboot

これにて復活。。。

4. 代わりのアプリケーションをインストールする

どうも 18.04 では代わりのツールがあるようです。

まずは前準備

$ sudo apt-get install gir1.2-gtop-2.0 gir1.2-networkmanager-1.0  gir1.2-clutter-1.0

次に、代替アプリケーションをインストールします。

  1. Ubuntu Software Center で system monitor extension と検索。
  2. system-monitor を選択してインストールする。

すると下記画面が表示されます。

f:id:MoriKen254:20200507154044p:plain


おわりに

ログインループが起きたときは、大抵NVIDIA 関連のドライバ、Unity が引っかかることが多いようです。

加えて、apt でインストールしたアプリケーションで、挙動が不安定なものは、疑ったほうが良さそうです。

めでたしめでたし!

【MBA】社会人 MBA のススメ ③どの大学院を選択したのか?

下記事の続きです。

www.moriken254.com

前回は、ダブルメジャーで MBA を取得するに至った理由を述べました。

今回は、実際どの大学院を選択したのかを説明します。

大学院の選択

ここまでくると、どの大学院を選ぼうかな?というお話です。

スペックのおさらい。

     
  • 30台前半
  •  
  • 1児の父(子供は難病持ち)
  •  
  • 技術系スタートアップの取締役(フルタイムでプレイングマネージャ)
  •  
  • 社会人博士学生(専門はロボット)
  •  
  • 在宅リモートワーカ(家庭の事情で地方の実家付近が拠点)

うーん、結構制約強い笑。正直、あまり好き勝手ぶらつけるような状況ではありません。社会人博士の仕上げも残っているし、仕事もそれなりです。

選定要件の概要

私の場合は以下の要件がマストで、それが可能となる大学院を絞るというものでした。

     
  • アメリカの大学院(要件というより、夢笑)
  •  
  • 働きながら就学可能
  •  
  • 居住地を変えずにオンラインで就学可能
  •  
  • 長期履修が可能
  •  
  • 英語学習(特にTOEFL)の負荷が小さい
  •  
  • 学費がリーズナブル

うん、わがままですね笑。特に最初の要件ミーハーですねぇ笑。

夢と現実の狭間

一方で、家庭の事情があって、譲れない事情もあります。夢だけではなく、現実を見据えるのも、所帯を持つ人間の責任となってきます。

難病持ちの子供の治療はどうしたって必要で、家族の支援なしに生きていくのはかなりしんどいです。実家のある地域は地方で、私のスキルを活かせるメーカなんて存在ない地域。エンジニアで生きていくならリモートワークが前提となるような制約があります。これが私の置かれた現実で、そう簡単に変えようが有りません。特に子供が患った重い病気は絶対に変わらないもので完治はせず、一生付き合わねばなりません。

とは言え、家庭の事情を言い訳に、夢や希望を諦めたくはありません。そんな人生を送りたくはない!世帯主としての社会的責任を果たしながら、自分の夢に少しでも近づく人生を歩みたい!


認めます。私は大した能力を備えた人間では有りません。世界トップレベルのコンサルファームや外資系金融業を目指すと言った水準を目指す器もありません。そういう方たちの足元にも及びません。及ぶなら、黙って TOEFL 100 を取ればいいだけの話なのですから。スコアという客観的指標で、残酷に突きつけられてしまっています。。。

そんな、TOEIC 910、TOEFL 93 程度の英語力しか無い、ガチのアメリカ大学院進学組が目指すレベルには及ばない中途半端な語学力のエンジニアが、セカンドメジャーとして経営手法を習得するための MBA 進学という、意識低い系の人間が目指す進学戦略を立案しなければなりません。

それに加えて、家庭の事情も勘案した上で、現実的な要件定義をするわけです。

そういう前提のもとで定義した各要件について、以下でもう少し深堀りします。

選定要件の深堀り

ここでは、そんな意識低い系が定義した要件を示します。

アメリカの大学院
  • もともとアメリカの大学院で学位を取りたいという夢がありました(ことこの点については、ミーハーです笑)
  • 家の事情で長期的に在宅ワークができるように、リモートが普及している欧米諸国の会社でもキャリア構築を可能とするためのリスクヘッジをかけると言う狙いもあります。
  • そこまで考慮すると、ロボット工学の分野なら日本国内での Ph.D. でも引けを取りませんが(先人のご尽力の賜物)、日本版 MBA ではまだ国際的訴求力に乏しいようでした。
  • 自らの夢の方向とも合わせる意味で、海外大学院を希望しました。


働きながら就学可能
  • そもそもフルタイムで働いているし、難病持ちの子供もおり、実家の支援を無視できる状況ではありません。
  • 収入をカットしてまで、しかも病気持ちの子供を連れて今の住まいを離れることは、非現実的です。


居住地を変えずにオンラインで就学可能
  • 前述の理由で場所の制約が強いと言う事情があります。
  • 欲を言えば本当は海外でオンサイト、英語でバリバリディスカッションが理想的だっのですが、そんな贅沢まで言っていられる身分ではありません。


長期履修が可能
  • 働きながらの就学には様々なリスクが付き物です。
  • 社会人博士課程就学中には、子供の出産、病気の治療、休職、引越し、色々と突発的な事象に出会したこともあり、通常3年のところ、結局5年間の就学となっています。
  • そんな時に役立ったのが、追加費用なしで就学年数を延長できる、長期履修制度です。
  • 家庭の事情は無視できないので、今回も就学中に予想外のトラブルが起きても対応できるよう、長期履修が可能であることを要件としました。
  • まぁ、アメリカの大学は基本的に在学年数の規定は緩く、基本的には要件を満たすものと想定します。
英語学習(TOEFL と GMAT)の負荷が小さい
  • アメリカ大学院に行こうと思えば TOEFL 100 は必要と言われます。
  • 10年前ですが、私は TOEIC は 910、TOEFL は iBT 93 を取得した程度の英語力。
  • TOEIC 910 なんて恥ずかしくなるほど TOEFL は厳しい試験なので、自分の能力不足が情けなくて辛い。。。
  • 長いブランクの挽回も含め、TOEFL で 100 を取るには相当な勉強が必要になることが目に見えています。
  • しかも留学生側も対策が進んでいるため、試験がどんどん難化しているという噂もあります。信じられません。。。
  • ひとえに私の力不足でありますが、就学前の学生時代ならまだしも、スタートアップ取締役となり、博士課程を両立しながら、英語の勉強のためにそこまで腰を据えている余裕は無いと判断しました。
  • その時間を仕事と経営学の習得にあてがいたいのです。
  • 要領良く英語の試験で高得点を取れるほど、器用でもなければ、賢くもないことは、自分で良く分かっていましたので。
  • GMAT も然り。大学によっては既に院卒だったり社会人経験があれば免除される場合もあるみたいで、そのコースを狙うことにしました。
  • 英語の試験が必要になるのは受け入れるとしても、大体手段がある環境を探すことにしました。
学費がリーズナブル
  • 色々憧れはありますが、学位取得にウン千万もかけられるほど経済的な余裕はありません汗。


改めて振り返ると、妥協しているとは言え、どれもこれも贅沢なこと言ってるなぁと思います笑。

が、これで行くと決めたのです!とにもかくにも、この条件で行ける大学院を探すのです!

調べた大学

トップスクール系

Distant で検索すると、意外とオンラインでビジネス系の学位が取れるプログラムがちょいちょいあるようです。

ただ、100% オンラインは流石に少ないです。当然です。受講者が不特定多数化しやすいオンラインで安易に学位を出してしまっては、卒業生の質やブランドに影響しますからね。

Harvard University

www.extension.harvard.edu

MBA ではありませんが、 Master of Liberal Arts in The Management Field という学位が付与されるらしいです。

何回かちょろっと現地で受講が必要みたいですが、サマースクールとかでさらっと済ませることになるでしょう。

基本遠隔でいい、学費も安い。悪くない。

Extension とは言え Harvard。こんなうまい話あるのかと思ったその時!

  • TOEFL Minimal Approval Score: 100 

www.extension.harvard.edu

TOEFL 100 が最低限の要件です。よって能力不足の私は潔く身を引きます笑。

業務両立 オンライン TOEFL 負荷 学費 長期履修 ブランド
X
Carnegie Mellon University

カーネギーメロンはオンラインで MBA 学位までいけます。 ランキングも1位。質は半端なく良いのでしょう。

https://www.cmu.edu/tepper/programs/mba/program-options/part-time-online-hybrid/ そして英語要件。

  • TOEFL: 102

https://www.cmu.edu/pre-college/admission/international-applicants.html

さすがCMU。さぁ、退却です笑。

業務両立 オンライン TOEFL 負荷 学費 長期履修 ブランド
X
Warwick Business School

イギリスのワーウィックビジネススクールはオンラインで定評があるようです。

www.wbs.ac.uk

TOEFL 100。更にGMAT 600。次元が違います。

業務両立 オンライン TOEFL 負荷 学費 長期履修 ブランド
X

さぁ、そろそろ悟ります。

トップスクールは断念

他にも色々探しましたが、トップスクールでTOEFL 100 相当を回避することは不可能そうです。

そもそもあれですね、私の提示した意識低い系の要件を考慮すると、ハナからトップスクールでの MBA は諦めるべきです。

分かる人が聞くとチクチク言うでしょうが、自らの能力水準を素直に認め、気にせず我が道を行くのみです!笑

アメリカ大学院にオンラインで受けたいなどというときに、TOEFL 100 を回避したいなどというとびきりのわがままが要件に入っている以上、そこをちゃんと割り切るのも意思決定。況や GMAT をや、です。

目的は学びを社会に活かすこと。キャリアに箔をつけることではありません。

そこを受け入れた上での社会人 MBA なのですから、軸をぶらさず、自分の脳力に適合した場所を探すしか有りません。

中堅系

トップスクールでなければ、道は見えるはず。オンラインもちょこちょこ見当たります。

下記のサイトを眺めて検討。

www.usnews.com

The Pennsylvania State University

トップスクールとの差別化のために中堅と言う区分にしてはいるものの、アメリカ東海岸の州立大学ではかなりの名門です。 ここにオンラインのプログラムが有りました。

www.worldcampus.psu.edu

TOEFL が 80 で良い。この点数ならすぐ取れる。私は修士卒で、GMAT Waiver が可能。AACSB 認証もある。

交換留学したことがある大学で、馴染みもある。

これは候補としてかなりいい。

ただ学費が惜しかった。 $6,000 する模様。

あと、長期履修が見えない。学費が気になりますが、ちょっと保留にして必要だったら聞くことに。

業務両立 オンライン TOEFL 負荷 学費 長期履修 ブランド
University of Wisconsin

トップ系のスクールから見ると一歩下がるとは言えど、ここも世界的に見ても相当レベルの高い大学です。オンラインのプログラムも有ります。

www.wisconsinonlinemba.org

TOEFL は 79。GMAT waiver もある。学費も $2,900 程のよう。AACSB 認証もある。

悪くない。この手の方針が流行っているんですかね。

こちらも長期履修が分かりませんでしたが、同じく保留にして必要だったら聞くことに。

業務両立 オンライン TOEFL 負荷 学費 長期履修 ブランド

日本の代理店経由

 多分私のようなジレンマを持つ日本人がたくさんいるんだと思います。

いい勘所をついてくるプログラムがあります。

University of Massachusetts

オンラインのプログラムが有る大学院です。先述した大学と比較すれば、ブランドは見劣りしてしまうところはありますが、それ以外の部分が充実しています。そこはバランスの問題です。

www.uml.edu

アビタスという代理店が仲介して、日本経由でアメリカ MBA を取得できるようにしてくれているようです。

www.abitus.co.jp

英語の要件は…TOEIC 700 …!?TOEFLですらない。それに700点でいい。最大の関門であった英語学習長期化リスクが、一瞬にして解決。( ゚д゚)ポカーン


正直これはかなり好都合。入学準備を最短化できる。これ以上はない。効率的すぎる。もはやチート状態笑。

修士持ちなら GMAT waiver もできる特典もある。

学費も $3,000 程。AACSB 認証もある。

え、なにこれ。

しかも、入試にかかる説明資料や問合せサポートも信じられないほど充実している。

アメリカの大学院ならまぁそうでしょうが、最大5年間在籍可で長期履修要件を満たします。途中単位を取らなくても大丈夫。1科目ずつの受験可能。ある程度余裕を持って就学できそうです。

あら、私のあのわがまま要件を全て満たしてしまいました笑。

業務両立 オンライン TOEFL 負荷 学費 長期履修 ブランド

ここまでの調査まとめ

という訳で、ここまでの調査結果を表にまとめてみました。

大学院 業務両立 オンライン TOEFL 負荷 学費 長期履修 ブランド 総合点
重み付け 2 2 3 2 2 1
Harvard University (Extention) X 9
Carnegie Mellon University X 7
Warwick Business School X 7
The Pennsylvania State University 9
University of Wisconsin 10
University of Massachusetts 11

私の就学目的とキャリアプランから勘案し、TOEFL 負荷の重み付けが高く、ブランドの重み付けが小さいことから、University of Massachusetts が妥当だという判断をしました。

アビタスの提供するサポートサービスは、言うまでもなく他のアメリカ大学院ではありえません。極めて特異的な要素であり、University of Massachusetts にしか当てはまり得ないので、敢えて表に入れていません。

University of Wisconsin はマジで捨てがたいというか、むしろとんでもなくコスパの良い選択ではあって、手放すのは惜しいところではあります。

最終決定

最終的には、アビタスを介したサポートによる負荷低減を重視しました。一種のアウトソーシングです。背に腹は変えられません。

もしこのサポートに膨大な追加コストがかかるなら素直にパスしていましたが、サポート込みのUniversity of Massachusetts の学費が、純粋な University of Wisconsin の場合と同等というのも、判断の後押しとなりました。もう $1,000 高かったら、University of Wisconsin だったでしょう。

ブランドと引き換えに得られる利点が大きかったということです。少なくとも拒否するインセンティブが薄いです。どんだけ元の学費が安いんだ笑。(それとも、MBA の学費が全体的に高騰しているのか。。。)

もちろん、上記に示した以外のメリットやデメリットも勘案した上での最終決定なので、そこも示しておく必要はあるかと思います。

その辺りの論考は、次回の記事で述べることにします!

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【MBA】社会人 MBA のススメ ②なぜダブルメジャーでMBAを?

下記事の続きです。

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前回は、社会人 MBA 進学を決意したきっかけを述べました。

今回は、なぜダブルメジャーで MBA 取得を目指すに至ったのか。その理由を述べます。

なぜダブルメジャーに?

欧米では専門を複数持ったり、マイナーという形で追加的に技能を習得するのが当たり前ですが、日本ではあまり馴染みが無いかもしれません。

この「専門の多角化」には凄まじいポテンシャルが秘められていると、私は確信しています。

まず、専門を多角化できる人の絶対数が少ないから、それだけで希少価値が高まります。

何より、単一の専門分野にのみ特化するよりも、社会貢献できる幅が一気に広まる。多角化することは足し算ではなく、掛け算で効くインパクトがあります。

ただ、メジャーが既に工学なら、経営学はマイナーで良いんじゃないか?と言う見解もあるかと思います。

そこを敢えてダブルメジャーにしたのはなぜか?ちょっと呟こうと思います。


技術だけでいいの?

ロボット工学分野のプロフェッショナルは世界に沢山おりまして、私なんか彼ら彼女らの足元にも及びません。就業キャリアはゼロですし笑。

ただ、技術のプロフェッショナルが、経営までできるとは限りません。前職で様々な人と会話をする中で、それを感じる機会は沢山ありました。

自分の作りたいものがある、興味のあるものが尖っている、技術へのこだわりが強い、新しいことへの好奇心がある、世界ナンバーワンのスペックへの追求心がある。そういうものはエンジニアにとって必要な気質です。私も人のこと言えません笑。


ただ、そういう思い「のみ」によって作られたものが、社会の役に立つのか?要は「売れるのか?」と問われたときに、職人気質が強すぎるとうまく返すことができない場合が散見されました。

非論理的な説明でうやむやに。。。え?じゃあなんで作ったの?となるのですが、やっぱり質問に答えられていない。せめて、ここに論理的な筋書きがあれば納得できようものですが、それも無しにただ新しさやスペック重視で闇雲に作っては売れないを繰り返す。

作れば売れる時代が終わってしまった状況で、この気質だけで食っていくのは難しいだろうと感じていました。

経営だけでいいの?

もちろん、経営のプロフェッショナルも世界中に大勢おられ、日々この凄まじい市場で戦いを繰り広げています。

そんなすごい経営者と直接会話ができる機会はさすがにありませんが、少なくとも前職で経営企画の方たちとお話していて気がついたことがあります。

そういう部署に配属される方々は、技術を専門としたキャリアや経験がない場合が多いようでした。それが良いとか悪いとかではなく、そうなるのは当然だと思いますが。

ただ、メーカでの経営となりますと、どうしたって技術を起点とした議論は必須でしょう。技術こそが会社の屋台骨ですから。

しかし、中々技術部門と企画部門の間でコミュニケーションをするのは容易ではありません。何か、得てして論点がずれていくように感じてしまいます。

そのため、新規事業企画のストーリーメイキングや、その承認プロセス、意思決定には尋常ではない時間がかかります。


そして、めちゃくちゃ時間をかけて資料作りと調整をしても、よく分からないまま稟議が空中分解していたり、発起人に通達されること無く気がついたら却下されていたりと、素人目に見ても筋の通っていないことが起きてしまう場面も目にしたことがあります。

一体何をやっているんだ。。。マジで。。。

貴重な経営資源を使って、こんなことをしていていいのでしょうか。。。既存製品のコストカット以前にやりべきことがあるのではないでしょうか。。。

そして悟りました。技術と経営は、切り分けてはいけないのです。

これらは両立できないと、今の時代ではもはやモノづくりビジネス自体が成立しないんです。。。ちょっと油断するとすぐに真似されて価格競争化してしまいます。

こんな経営環境において、今までと同じやり方をしていたのでは、とても生き残っていくことはできません。

それなのに、

     
  • 現場の技術者が、既存製品のコストカット or スペック重視の売れない誰得新製品開発で疲弊している傍ら
  •  
  • 経営層が、密室で付加価値の産まない超長時間会議 or 出世欲と自己保身と派閥争いに満ちた社内政治に明け暮れる

とまぁ、色々な意味で目線が違いすぎると感じさせられる事象が起こりすぎています。

その政治に、未来ある若手の人事とキャリアも振り回される。

一体何をやっているんだ。。。マジで。。。


結局技術と経営を両立できる人間が必要

良いものを作れば売れる、トレンドに乗っかれば儲かるなんて、もはやありえません。技術の新規性だけに着目しても、お客様に必要とされていなければ自己満足で終わってしまいます。

とは言え、新技術を無視するわけにはいきません。新しい技術でどんな価値を社会に提供できるのかは、常にウォッチしていなければなりません。

それが見えたとしても、今度はそう簡単に他社が乗り越えられない周到な知財戦略、その技術に対する社会的必然性と訴求力の分析、そしてそのビジョンを達成するための自社独自の高度な技術力、これらが全て同時に備わっていなければビジネスとして成立しないのです。

なんとも頭の疲れる時代になってしまいました ^^;

もちろん、それぞれの専門家がいる事自体は悪くないのですが、少なくとも全体を理解できる人間が仲立ちする必要があるのだと感じているわけです。

セルフマーケティング(?)

そこで私が考えたのがこちら。

博士(工学)をファーストメジャーとする MBA ホルダー


これが一つの解かなと。

どちらかと言うと、尖った分野で世界トップにはなれない私程度の中途半端な専門スキルを持つ Ph.D. ホルダーが、経営学で MBA を取得する、が正しい流れですね。 技術とビジネスの両面から考察し、メーカ経営の意思決定ができる。

これこそが「求められてはいるけど見つからない!」的な、ちょうどスポッとはまるセグメントではないかと、思ったわけです。

セルフマーケティング。。。?素人の。。。笑

そもそもスタートアップでキャッシュは死活問題

創業間もないベンチャーでキャッシュは死活問題です。売上が立っていない以上、お金は外から取ってこないといけないのです。ベンチャーキャピタルや銀行等に説明するときも、説得力のある論理構築が必要です。


マーケティングってどうやるの?笑。いやまじで。。。

スタートアップの人間がいつまでもこんな事を言っていたら、お荷物になってしまいます。

逆に言えば、先方はMBA等で習得する技能をベースに議論を構築するので、こちらもそのフレームワークを知っていれば相手が求めている情報を把握しやすくなり、コミュニケーションも円滑になるでしょう。

それは、資金調達というスタートアップの血液補給に直結します。明日生きるか死ぬかというお話をしているわけです。「セカンド」とは言え、大事だと思う理由はここにあります。

財務諸表も読めません笑。ある経済活動がバランスシートにどのような変化をもたらし、それが経営にどう影響するのか、分析する術を知りません。これでどうやって自社の経営状態を把握しろと笑。

もう、ある意味ダブルメジャーというのは、必然だったんです。

MBA という学位の価値とは

少し脱線に思われてしまうかもしれませんが、私が学位の取得を検討する際に気をつけて考えている点を、述べておこうと思います。

本当にその学位取得が、自分にとって取り組む価値があるものなのか?と。

学位とは「箔付けの道具」ではない

私は、社会人博士や MBA に進学しているので、学位コレクターのように思われるかもしれませんが、どちらかというと逆の立場です。

単なる学位「だけ」の価値に対しては、私は懐疑的な人間です。

学位取得の過程を通じて技能の習得を行える環境が教育機関であり、その最高峰が大学院です。

その結果として、証明書としての「学位」が付与されるのであって、その取得自体が目的化することは本質ではないと考えています。

学位があると泊は付くでしょうが、それを不用意にちらつかせたり、見せびらかすようなことをしてはいけないと、肝に銘じています。

もちろん、対外的に他者と対等に議論できることを示す必要があったり、逆に心理的にマウントを取られたりしないようにするために、そういった議論に参画するパスポートや入構許可証的な意味合いで学位の切符を引き出さざるを得ないことはあるでしょう。

一方、意味もなくわざわざ自分から学位をひけらかすのはあまり褒められた行為ではない、という意味合いを示したかったのです。

「学位即年収アップ」ではない

ですから、博士を持っているから即キャリアに直結するとか、MBA を持っているから即出世 or 転職して年収アップするとか、そういう類の価値もあまり見出していません。

そういう直線的なキャリアアップの不可能性について、十分目にしてきましたし、私もこの身を持って経験しました。特に日本社会は、そんな単純にことが運ぶように構成されていません。

結局年収は、少なくとも大手メーカ技術者においては、個人のスキルや学歴よりも、年齢 / 入社年度 / 業種(+単に入社時の配属の運)との相関関係が強い傾向があるので、下手な期待で落ち込まないマインドセットだけは身についています笑。

本質は「社会貢献」

もちろん、対外的な自己紹介の際に、客観的なエビデンスに基づいて自身の技能を主張する上で、そのわかり易さという点で学位に優位性はありますが、それは本質ではないと考えています。

学位を取得する過程で培った技能をどう社会貢献に活かすか


突き詰めていくと、これに行き着きます。

要は、得られた技能を活かして何らかの社会貢献をした結果として、その貢献度にふさわしいと周りからも承認されるに値するポジションや年収といったものが、後からついてくると言うのが筋だと思います。(筋通りことが運ばないのもまた真なのですが。。。)

実際、そのような形でキャリアアップしている人とお話すると、はやり本質的に優れた人格と並外れた技能を持たれています。理不尽な状況を不断の努力で乗り越えて、自らその筋を通すまでに至った方々の貫禄は、やはり凄まじいものがあります。

まぁかく言う私はぶっちゃけできた人間では全くなく、キレイ事ばかりで進学しているとも言えません。単純に知的欲求を満たしたいとか、昔海外の大学院で学位取りたかったなぁというミーハー的な心情もあるので、あまり偉そうなことは言えないのです、これが (^O^;)

人的ネットワーキング

あと、大切なのは人との交流、ネットワーキングだと思います。様々な思いやキャリアのある方々と知り合えるチャンスがあります。

私は根暗で人見知りなのであまり表立って話せるタイプではありませんし笑、そもそも狙っているのはオンライン系のカリキュラム。その上、昨今の新型コロナウィルスの影響で、中々ネットワーキングが容易にできないという事情もあります。

うー、まぁ仕方がないのですが、うまく人と交流できるように、頑張ろうと思います。(気質的にも笑)

どの大学院に進学する?

ここまで理由付けができてくると、あとはどこを受けようかなと言う話になってきます。

今回もそろそろ長くなってきましたので、その辺りの話はまた時間のエントリでしようと思います!

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【MBA】社会人 MBA のススメ ①きっかけ

こんばんわ。

いつもヘンテコなキャリアを歩み続ける MoriKen です。

そんな私が、これまた題記のような変わったことに着手してしまいましたので、スレッドがてらカテゴリを立ち上げるというお話です笑。

せっかくなので、過去に執筆した「社会人博士のススメ」のフォーマット風に、経緯を綴っておこうと思います。

  1. 社会人博士のススメ ①きっかけ
  2. 社会人博士のススメ ②なぜ博士を選んだのか?
  3. 社会人博士のススメ ③なぜ退職+博士を断念したのか?
  4. 社会人博士のススメ ④なぜ社会人博士か?ーメリット編ー
  5. 社会人博士のススメ ⑤なぜ社会人博士か?ーデメリット編ー
  6. 社会人博士のススメ ⑥なぜ社会人博士か?ー私の決断編ー

本質的にはかなりの部分が重複すると思いますが、博士号のときとはモチベーションがだいぶ違います。

まぁあれから何年か経ったので、今一度自分の考察を振り返るのも悪くないかなと思い、筆を執ってみました。(しばらくまとまった記事なんて書けていなかったので、この雰囲気懐かしい笑)

同じような悩みを抱える方に、少しでもお役に立てれば、望外の幸福です。

まずなんで MBA?

まぁ、まさかこんなことになるとは、という事象が発生したわけです。

ひょんなことから経営者サイドに

ひょんなことから、転職して取締役になりました。


それまでペーペーの平社員しか経験したことのなかった、若干30台前半の鼻垂れが、一気に経営者サイドというお話であります。意味不明なほど、ぶっ飛びすぎです笑。

いや、自分は根暗でおとなしいエンジニアだったんです。意気揚々と従業員での採用と思っていたところで、まさかのオファーだったわけです。青天の霹靂とはこのことです。

そんなぶっ飛んだオファーに対して、これまた「何か面白そうだ」と、これまた現状スキルに見合わないポストのアクセプトを即断した私は私で阿呆なわけですが笑。いつも考えが浅いのが、私の悪い癖 (^O^;)

なにはともあれ、いかんせん経営なんていう高度な意思決定を要する業務の経験がなく、スキルセットも備わっていません。

さて困りました。強烈な劣等感が全身にほとばしります。ざわざわ。。。


とは言え、せっかく受けたオファー。しっかりご期待にはお応えしたいわけです。

もちろん、意思決定という仕事は知識だけでは務まりません。色々な経験を肌で感じて初めて血肉となる類のものであることは、認識してはおります。

とは言え、知識も何もない今の状況、湧き出る劣等感、何もしないだなんて、私の内なる心が許してくれそうにありません。

そこで、なんとか先人の知見から学べるスキルだけでも身につけ、今後の意思決定のお役に立てる状態になってしまおうと、それだけの話であります笑。


MBA 進学時のスペック

どんな人間がこんな変わったキャリア選択をしたのか?ざっくりと概要を。

     
  • 30台前半
  •  
  • 1児の父(子供は難病持ち)
  •  
  • 技術系スタートアップの取締役
  •  
  • 社会人博士学生(専門はロボット)
  •  
  • 元メーカエンジニア
  •  
  • 在宅リモートワーカ

とまぁ、既に社会人大学院生なのに、追加で大学院に入ってしまいました。いわゆる大学院ダブルスクールの、社会人版です。

日中はフルタイムで働きながら、プライベートの時間で学ぶというスタイルです。(退職して収入途絶えるリスクまで取る勇気がありません笑。)

まぁ、博士課程についてはやることは大方片付いていて、あとは博士論文まとめればよい段階まで来ているので、タイミングとしては丁度いいかなと言うところです。

社会人博士との違い

ここでは、主に進学を決意するに至ったモチベーションの違い、それから基本的なカリキュラムの方針の違い、という切り口で記述します。

精神的エネルギーの正負の違い

社会人博士の場合

こちらについては、夢ばかりしか目にくれず世間を知らなかった阿呆な青二才が、安易に大企業に就職して配属ガチャで盛大に大外れを引き当て、やりたいことができないことに対するフラストレーションが大爆発したという、これまた青臭い(笑)負のエネルギーが発端でした。


社会人MBAの場合

今回は、自分のやりたいことを思いっきりできるベンチャーという環境に飛び込んだら、まさか更にポストまで与えられてしまって、その恩に報いたいという、正のエネルギーが発端です。


内発的・外発的動機の違い

社会人博士の場合

前述の項目と少しかぶりますが、配属ガチャによって分断されたそのキャリアを取り戻すために、わざわざ一年もかけて会社を説得して社会人博士課程に進学し、ロボット工学を専攻しているわけです。

ポストや配属先によって依存されるものではない、私の人生における確固たる主軸です。 いわば、夢ドリブンといいますが、内発的動機が全てです。

社会人MBAの場合

一方社会人MBAは、現在私が置かれた就業状況に対して、自らのスキルを補填するために進学しています。

もちろん、経営判断で必要となる財務会計やマーケティング等のツールに対して純粋な好奇心は持っていて、学んでいて素直に面白いなぁと感じますし、ことその点については内発性があります。

ただ、どちらかと言うと環境ドリブン、転職先で付与されたポストという外発的動機によって進学を決意したという側面が強いのが、きっかけとなります。

専門のプライオリティ

社会人博士の場合

私の第一専門分野「ロボット工学」での学位取得が目的です。幼少からその夢を見て、修士論文でも専門にしてきたロボット工学です。

新卒で就職した会社でも、入社前から退職まで一貫してそれを主張し続けましたが、8年間の勤務でそれが叶うことはありませんでした。

なので、実は「ロボット工学に関する就業経験はゼロ」なのに、創業間もないテック系ロボットベンチャーに転職するという、面白いことが起きています笑。

しかし、そんなロボット工学は言うまでもなく、私のファーストメジャーです。転職後は、ロボット工学の専門技能を最大限に活かして、積極的に開発業務に携わらせて頂いており、とても感謝しています。

社会人MBAの場合

MBAは私にとっていわばセカンドメジャーです。ファーストメジャーであるロボット工学の技能は技術面で生かし、そのビジネス展開を経営面で支えるためのスキルセット習得を目的として、MBAという選択を取りました。

マイナーではなくあえて「セカンドメジャー」としたことには意義があり、しかも「セカンド」とは言え「ファースト」と同等に大事なことだと意識しています。

その辺りは、また別のエントリで後述します。

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カリキュラムの方針の違い

博士課程の場合

一般論として、博士課程では授業は殆どありません。研究で必要となる知識は技術は、基本的に自分で勉強する必要があります。融通は効きますが、サボり始めたら終了なので、やる気と精神力との戦いになりがちなのが博士課程笑。


まぁ、少し疲れたら休んだりもしやすいし、やる気が出たときに一気に成果を出す、みたいなやり方も可能なので、人によってはメチャ合うと思います。

なので、とっかかりの課題共有は指導教員と行いますが、その後はやっぱり基本的に自走です。まだ世界で誰も解決していない問題の発見、文献調査、仮説検証、国際学会発表、学術論文投稿。それらを遂行するための研究計画とセルフマネジメント。

こういった取り組みを、指導教員を始め国内外の様々な方からレビューを受けながら何回かまわすことで、自律・独立的に研究活動を遂行できる人間が養成されます。

そして実は、それらの課程の修了するだけでは、博士号を取得できません。

加えて、博士論文公聴会(通称ディフェンス)と呼ばれる、研究成果に対する厳格な審査と承認が、学位取得に際し必須となります。

したがって、博士号取得の基本要件は、講義による単位の取得ではありません。

自律的な研究活動とその成果、およびディフェンスでの厳しい質疑に耐えうるプレゼンテーション+自己主張+反論能力に対する承認こそが、主たる要件となります。

修士課程の場合

一方修士課程では、取るべき講義が定期的に開催され、課題と試験をきちんと、サボることなく確実に実施していくことで、学位取得の道が見えてきます。

講義の日程や課題の〆切が明確に定められているので、これがペースメーカとなり、嫌でも身体と手が動きます笑。

ただ、この手の学習は、自分の仕事の都合とは関係なく、矢継ぎ早に課題が発生するため、何とか頑張って這いつくばらないと後からの挽回が難しいという側面もあると言えます。

分野により違いもあるでしょうが、専門職大学院の場合は学位の取得に際し修士論文の提出が求められない場合があります。もちろん、研究大学院の場合は必須となりますが、専門職大学院でも修士論文が求められることも当然あります。

ただし、前述した博士号のディフェンスのような厳格な審査ではない場合が一般的です。

したがって、修士号取得の基本的な要件が、講義で取得する単位で構成されている場合が多いです(研究大学院であっても、単位要件のマジョリティが講義によるものであるようです。)。


もちろん、教員や学生同士の議論やレポート、課題論文において論旨展開の質が問われる場面が多くあり、そここそがこの学位の本質ではあります。

それだけに、働きながら、自らの貯金や収入を切り崩し、家族を説得してまで大学院に進学するだけの意志と熱意を持った社会人学生の方々は本当に優秀で、やはり覚悟もお持ちです。

同期との議論がネットワーキングサービスで行われておりますが、優れた分析能力や素晴らしい経験をお持ちの方が多く、ストレートで大学院にいくのとは全く異なる環境で、私自身の未熟さや劣等感を感じずにはいられない状況です ^^;

ただ、そんな状況でも、いや、そんな状況だからこそ、いざとなれば切磋琢磨できる、真に意識のある方々とも交流できると思いますし、カリキュラムもきちんと誠実に取り組み続ければ何とかなる、と確信しています。

(私の場合、習得した技能を経営に活かすことが目的で、オールAとか表彰とか高尚なことをそもそも達成しようと思っていない、という心持ちだからなのかもしれませんが。。。意識低い系。。。 ^^; )

ダブルスクールは可能

以上で述べた博士号と修士号の要件の違い、そして博士号の要件は現状でほぼ達成できているという状況から鑑みて、フルタイムでの勤務をしながらのダブルスクールが可能であると判断し、MBA 進学の決意に至りました。

なぜわざわざダブルメジャーを?

となりますと、いわゆるダブルメジャーです。

しかも、まだ博士課程は就学中。転職もしたばかり。そしてリモートワーク。カオス笑。

とまぁ、なんでまたわざわざこんなややこしいことを?

というお話は、また長くなってきたので笑、次回投稿しようと思います!

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【ROS2】gzserver: symbol lookup error で Gazebo が起動しない場合の対処法

環境

  • Ubuntu 18.04
  • ROS2 dashing
  • Gazebo 9

コマンド

$ ros2 launch gazebo_ros gazebo.launch.py

エラーメッセージ

[gzserver-1] gzserver: symbol lookup error: /opt/ros/dashing/lib/libgazebo_ros_init.so: undefined symbol: _ZN10gazebo_ros9ThrottlerC1Ed

Gazebo インストールしなおしたり、まだ apt に入っていない最新版を入れてみたり、色々やったがお手上げ。

と思ったその時!

対処法

下記コマンドを実行。

$ sudo apt upgrade libignition-math2

新しくターミナルを立ち上げる。ただし、他の ROS 1/2 distribution の環境は一切取り込んでいない状態であること。

そして、下記コマンドを実行。

$ source /opt/ros/dashing/setup.bash;
$ export ROS_DISTRO=dashing;
$ export CHOOSE_ROS_DISTRO=dashing'

これにて解決です。めでたしめでたし。

参考文献

ありがとうございました。

AWS で upload_max_filesize 超過が起きたときの対処法

柄にもなく、WordpressによるWEBサイト設計用途でAWSを使っています。

Wordpress で自作テーマをインストールするに一番手っ取り早いのが、自作のテーマを zip で固めたアップロードすることです。

いつものように意気揚々とテーマをアップロードしようとしたら、怒られました。

アップロードされたファイルが php.ini の upload_max_filesize ディレクティブを越えています。

けちー!笑。たった2.5MBのファイル、なんで上げられないんだ!

ということで、AWS側の設定を見直すことに。

対象ファイル

AWS 上の Linux で、下記のファイルを編集します。たくさん指定しているのは、どれを指定すれば実際に反映されるかわからないので、全部変えたという素人発想です。

/etc/php.ini
/etc/php-5.6.ini 
/etc/php-7.3.ini 

変更対象

上記ファイルを root 権限で開きます。

例えば、

$sudo vim /etc/php.ini

のように。

そのどこかで、下記のような記述があります。

; Maximum allowed size for uploaded files.
; http://php.net/upload-max-filesize
upload_max_filesize = 2M

これを、下記のように書き換えます。

; Maximum allowed size for uploaded files.
; http://php.net/upload-max-filesize
upload_max_filesize = 200M

変更の反映

以下のコマンドで変更を反映させます。

$ /etc/init.d/httpd restart
$ service httpd restart

以上で、無事に新しいテーマをアップロードできました!

めでたしめでたし。

参考文献

【ROS2】Windows 10+Ubuntu 18.04 in VMWare 上の Gazebo で Turtlebot3 を動かす!

こんにちは。ROS に触れたのは10年ぶりくらいかと思ったら、50日ぶり程度だった MoriKen です。

ROS に関心があるんですー、とおっしゃる方が増えてきたなぁと思う今日このごろ。

一方、大抵行き着くのが環境の話です。Windows で動きやしないか?と。動くみたいですけど、Ubuntuの方が安定しますよ^^ とお伝えすると、苦い顔をされてしまうことが多々ありまして。

そんなこんなで、初学者でもサクッと Windows で ROS を検証できる環境はないかなーと模索しております。

もちろん、頑張れば動くんですよね。素晴らしき先人がたくさんいらっしゃる。

gbiggs.github.io

demura.net

qiita.com

Windows ネイティブでやる方法って、Gazebo とか RViz の方どうなっているんだろう?という疑問があります。

WSL (Windows Subsystem for Linux) を利用して GUI だけは X サーバに飛ばすって構成もあるみたいで、こちらだと Gazebo でのデモを紹介しているブログがありまして。

私も先人にあやかりWindowsで!と思って色々試したのですが、出るわ出るわ、エラーのお祭り笑。 腰を据えて取り組むことができればもう少しお付き合いしたかったのですが、ちょっとそれどこじゃない (T_T;)笑。

また、ROS Kyushu ユーザグループにて、集団でハンズオン講習会をすることを狙っているので、あまり環境に依存せず、エラー処理があっても短時間で解決が見込まれる、できるだけ安定した環境が欲しいという背景がありました。

そこで、Windows で手早く ROS2 で遊べる環境として、実績のある VMWare を選定しました。 本エントリは、上記講習会の事前演習+当日のトラブルシューティング向けの情報を掲載することを意図してます。 最低限 Turtlebot3 のナビゲーションチュートリアルで遊ぶところまでの手順を、簡潔にまとめておきたいと思いますので、ご参考になれば幸いです。

環境

  • ホストOS: Windows 10
  • 仮想マシンツール: VMWare Workstation Player 15.5
  • ゲストOS: Ubuntu 18.04
  • ROS2 distribution: Dashing Diademata

仮想マシン環境の構築

VMWare のインストール

ホスト OS に VMWare Workstation Player をインストールします。下記サイトからインストーラをダウンロードして、実行して下さい。

www.vmware.com

本エントリ執筆時点では、15.5 が最新でした。Player は、非商用利用であれば無料です。

Ubuntu 18.04 イメージの作成

インストールが完了したら、VMware を利用して、ROS2 を動かす Ubuntu 18.04 の仮想マシンイメージを作成します。

Ubuntu のインストーラ(ISO)のダウンロードと、仮想マシンイメージの作成手順については、下記事をご参照下さい。

qiita.com

「VMware Player と Device/Credential Guard には互換性がありません。」というエラーが出たら

作成したイメージを起動しようとする際、新しい Windows 10 だと、このようなエラーが出る場合があります。

その場合は、下記事の手順に従って、諸々の設定を行ってから、イメージを起動し直して下さい。

www.wareko.jp

ROS 2 のセットアップ

ROS2 のインストール

ようやく ROS 2 です。仮想イメージ内で、ROS 2 をインストールして下さい。

手順は、下記事を参考にして下さい。

gbiggs.github.io

Talker & Listener の確認

基本的なサンプルコードの動作確認を行います。

こちらについても、ジェフさんの記事を参考にして下さい。

gbiggs.github.io

Turtlebot 3 のセットアップ

下記の本家サイトを参考にしてインストールするのが確実です。

emanual.robotis.com

英語は嫌!という場合に備え。ちょっとだけ翻訳+補足。

事前準備

# ビルドシステムのColconをインストール
$ sudo apt install python3-colcon-common-extensions
# SLAM パッケージである Cartographer の依存パッケージをインストール
$ sudo apt install -y \
 google-mock \
 libceres-dev \
 liblua5.3-dev \
 libboost-dev \
 libboost-iostreams-dev \
 libprotobuf-dev \
 protobuf-compiler \
 libcairo2-dev \
 libpcl-dev \
 python3-sphinx
# シミュレータ Gazebo9 のインストール
$ curl -sSL http://get.gazebosim.org | sh
$ sudo apt install ros-dashing-gazebo-*
# SLAM パッケージ Cartographer のインストール
$ sudo apt install ros-dashing-cartographer
$ sudo apt install ros-dashing-cartographer-ros
# ナビゲーションパッケージ Navigation2 のインストール
$ sudo apt install ros-dashing-navigation2
$ sudo apt install ros-dashing-nav2-bringup
# バージョン管理ツールのユーティリティ vcstool のインストール
$ sudo apt install python3-vcstool

もしバージョン管理ツール git をインストールしていないなら、ここで入れておきましょう。

$ sudo apt install git

Turtlebot 3 関連パッケージのインストール

# ワークスペースの作成
$ mkdir -p ~/turtlebot3_ws/src
$ cd ~/turtlebot3_ws
# 関連パッケージの取得
$ wget https://raw.githubusercontent.com/ROBOTIS-GIT/turtlebot3/ros2/turtlebot3.repos
$ vcs import src < turtlebot3.repos
# ビルド
$ colcon build --symlink-install

環境変数の設定

$ echo 'source ~/turtlebot3_ws/install/setup.bash' >> ~/.bashrc
$ echo 'export ROS_DOMAIN_ID=30 #TURTLEBOT3' >> ~/.bashrc
$ source ~/.bashrc

シミュレータのセットアップ

下記の公式ドキュメントを参考に、Gazebo によるシミュレーション環境を構築します。

emanual.robotis.com

環境変数の設定

下記の環境変数を設定して、Turtlebot3 のモデルを読み込めるようにします。

$ echo 'export GAZEBO_MODEL_PATH=$GAZEBO_MODEL_PATH:~/turtlebot3_ws/src/turtlebot3/turtlebot3_simulations/turtlebot3_gazebo/models' >> ~/.bashrc
$ source ~/.bashrc

これは好みですが、毎度ロボットモデルを指定し直すのは面倒なので、ここでは比較的軽めと思われる Waffle のモデルを呼ぶように環境変数を自動で設定するようにします。

毎回起動するロボットを変えたい場合は、.bashrc には記述せず、都度ターミナルから入力して下さい。

$ echo 'export TURTLEBOT3_MODEL=waffle' >> ~/.bashrc
$ source ~/.bashrc

起動確認

empty world

なにもない空間に Waffle を登場させます。

$ ros2 launch turtlebot3_gazebo empty_world.launch.py

初回は、必要なファイルを Gazebo のサーバからダウンロードして取得するため、少し時間がかかる場合があります。画面が止まっても、根気強く辛抱して下さい。そのうち表示されます。

f:id:MoriKen254:20200209150558p:plain

Turtlebot3 world

少し特徴のある環境に Waffle を登場させます。

$ ros2 launch turtlebot3_gazebo turtlebot3_world.launch.py

f:id:MoriKen254:20200209150641p:plain

地図作成やナビゲーションをするなら、こういう環境のほうが良いです。

キーボードで操縦

シミュレータ上のロボットをキーボードで操縦(teleop: 通称 テレオペ、テレオプ)します。ターミナルを別途開き、下記コマンドを実行します。

$ ros2 run turtlebot3_teleop teleop_keyboard

コマンドは速度形式なので、あまり調子に乗って加速すると制御しにくくなります笑。

  • 前進: w
  • 後退: x
  • 左旋回: a
  • 右旋回: d
  • 停止: s

可視化ツール RViz の起動

便利な可視化ツール RViz が起動できるか確認します。また別ターミナルを開き、下記コマンドを実行します。

$ ros2 launch turtlebot3_bringup rviz2.launch.py

起動が確認できたら、RViz を閉じて下さい。

SLAM (地図作成) の検証

下記のコマンドで Cartgrapher を起動します。

$ ros2 launch turtlebot3_cartographer cartographer.launch.py use_sim_time:=True

もし起動が不安定な場合は、Gazeboのシミュレーションを一時停止にしてから起動すると、上手く立ち上がる場合があります。数の赤枠内のボタンを押すことで、再生・一時停止を制御できます。

f:id:MoriKen254:20200209151401p:plain

RViz も同時に立ち上がりますので、正常起動を確認したら、シミュレータを再生状態に戻して下さい。

そして、先に起動した teleop のターミナルを開き、いろいろな方向に動かしながら、RViz上で地図が徐々に作成されている様をお楽しみ下さい。

f:id:MoriKen254:20200209151447p:plain

満足したら、下記コマンドで地図を保存します。

$ ros2 run nav2_map_server map_saver -f ~/map

地図を保存したら、一旦全てのプログラムを閉じておきましょう。きれいにしていたほうが、次のナビゲーションが安定しやすいです。

ナビゲーションの検証

シミュレータを立ち上げ直します。

$ ros2 launch turtlebot3_gazebo turtlebot3_world.launch.py

別ターミナルを立ち上げ、ナビゲーションプログラムを起動します。この時、先程保存した地図のファイルを読み込むように、引数で指定します。

$ ros2 launch turtlebot3_navigation2 navigation2.launch.py use_sim_time:=True map:=$HOME/map.yaml

もし、シミュレータ上でのロボットの位置、RViz上でのロボットの位置がずれていたら、画面右上の2D Pose Estimateを選択して、シミュレータ上のロボットと同じ位置になるように、地図上にマウスで指定して下さい。

f:id:MoriKen254:20200209152047p:plain

これからロボットを動かします。右上にあるNavigation2 Goalを選択し、移動させたいと思う位置と姿勢を、地図上にマウスで指定して下さい。

f:id:MoriKen254:20200209151818p:plain

あとは、自動的に経路が探索され、ロボットが障害物を回避しながら動き始めるはずです。

ここまでできたら、WindowsでROS2お試しナビゲーション祭りとしては成功です!(なんだそれ笑)

おわりに

Windows 上で、(初学者でもあまり手間をかけることなく)ROS2 を検証する方法を紹介しました。

VMWare というリッチな仮想環境を利用するので、動作は軽くはないですが、ユーザが複雑な設定をすることなく手軽に検証できるという点では、利点があると思います。

Windows でサクッとお試ししたい方のご参考になりましたら幸いです。